京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。
先日、体調不良とご予約の患者さんからお電話を頂きキャンセルがあったため、空き時間が出ました。
僕自身、歯に少し着色がついてブラッシングでは落ちなくなっていたのが気になっていて、歯のクリーニングに行きたいと思っていました。
他の歯科医院にはお金を払ってクリーニングを受けることになるのに、僕が信頼して大切にしてる衛生士には無料のクリーニングを求めるのは理不尽だと思いました。
なので、「僕と受付2人分のお金を払うので、クリーニングしてほしい。僕の本業は衛生士じゃないから、君が僕のクリーニングを受けても何の経験にもならない。『勉強してこい。』とは全く思ってない。君は勉強が必要なステージじゃないし、他の衛生士の方が上手だと思ってないから。でも、患者さんの立場になって感じる経験は貴重だと考えてる。だから、そのお金で他の歯科医院さんでクリーニングを受けて、色々感じてきてほしい。」と伝えました。
僕も受付も、当院の衛生士のクリーニングを受けたことがありませんでした。
その理由は、医院での空き時間がある場合は、滅菌パックや滅菌ガーゼなどの衛生関連のストックを作ったり、医院の細かい清掃を行ったりするように指示していたからです。
僕は「臨床は患者さんから学ぶものであって、同業者から学ぶものではないと考えている。同業者から教われることは所詮はテクニックだから。上辺のテクニックを重ねても真の技術は磨けない。
「個室になると閉じ込められる気がして怖いから診療室の扉を閉めないでほしい」人もいる。
「タオルを顔にかけられると真っ暗になって怖いからタオルを顔にかけないでほしい」人もいる。
レントゲンを撮ってほしい人もいれば、撮って欲しくない人もいる。歯を抜いてほしい人、抜いて欲しくない人、歯を削ってほしい人、削って欲しくない人。患者さんが要望することは一人一人違う。
そんな患者さんに対して、「同業者で有名な人がこうしたら患者さんが喜ぶ、って言うてたんで!」と一括りにできないのが臨床。
もちろん、患者さんの希望に添えないこともある。患者さんの希望通りにしたら後遺症が残ることもある。『ダメなものはダメ』と言うのは子供への教育や躾と一緒だけど、違うのは『なぜダメなのか、それをやって先にどうなるのか全部言えること』。
それがプロフェッショナルであり、専門職。
臨床に大切なのは、患者さんに寄り添う気持ち。慈しむ気持ち。自身の信念。そして柔軟性だからね。」と、スタッフに言っています。
そして、チェアに横になり、衛生士のクリーニングを受けました。
チェアもタオルもクリーニングに使う歯磨剤も、とにかく自分が考える良質で上質なものを揃えていたつもりでした。
まず、チェアがこんなに座り心地、寝心地が良いと思いませんでした。クリーニングを受けてる間中、ストレスを全く感じませんでした。
顔にかけてるタオルも、とにかくフワフワでした。柔軟剤もいい匂いでした。
衛生士のクリーニングもとにかく優しかったです。歯石がついているところは自分でも分かっていて、そこをハンドスケーリングで丁寧に取ってくれていることはさすがに分かりますが、歯の着色をいつきれいに取ってくれたのか全く分かりませんでした。
僕は「自分が熱量込めて、自分の人生かけて研鑽している臨床に出し惜しみは一切しない。いつも全身全霊で全力で取り組む。」という信念を持って、20年近く臨床してますし、そういう生き方をしてます。
そんな僕がリモデンタルクリニックでクリーニングを受けた結果。。。
診療室の雰囲気も緊張感を感じない。チェアも上質で良質なのが伝わってくる。正直、このクリーニングをセルフケアで行うのは不可能です。これ以上の優しいクリーニングを行える衛生士が世の中にいたとしても、見つけるのはとても難しいと思いました。
「足りない」という方には「僕らはいつも全力で取り組んでます。これ以上は出せないです。すみません。」と言います。
今まで、「こうするのが良いんじゃないか」と、患者さんの立場や客観的に見て、俯瞰的に考えて、設備を整えたり、インテリアにこだわったりしてきました。そうやって自分の医院が12年以上積み重ねたことを初めて自分で体験してみて、思ってた以上に良いサービスができていたこと、誇りを持てたことは何よりの収穫でした。
スタッフが僕の方針や信念についてきてくれて、とても嬉しかったです。僕にとって、最高のクリスマスプレゼントでした。
最後になりますが、本年も誠心誠意診療に臨んで参りました。良い患者さん達に恵まれて、良い臨床結果を出すことができて、とても良い一年でした。
皆様が良き新年をお迎えになられますよう、心より祈念しております。