京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。
ブリッジが外れたと患者さんがご来院されました。
3本分のブリッジが脱離していました。一番奥の銀歯は根が割れており、残念ながら保存不可能な状況でした。患者さんは一刻も早く歯を作って欲しいとご希望されておりましたが、歯を作ることを優先して根の治療をきちんと行わなかった場合、左上臼歯部全ての歯が保存不可能になってしまう可能性がありました。まずは脱離した支台歯の再根管治療を行いました。保存可能な状態にすることができたので、仮歯を作成しました。噛み合わせを確保できたので、この先の事を考えて治療計画書を提示しました。
患者さんは転勤の可能性があるため、それまでになんとかして欲しいということでした。前回のブリッジは20年以上前に装着したとのことですが、その時よりも支台歯の状態が悪くなっているため、再度ブリッジで行った場合、次は10年は持たないと考えられることと、その場合、今は1本の欠損が、2〜3本の欠損となってしまうため、支台歯にできる限り負担をかけないようにするためにはインプラント治療を行った方が最善であること、転勤の可能性がある3月末までにはインプラント治療を終えることが十分可能であることをお伝えしました。
患者さんはインプラント治療を選択されたので、CTシミュレーションを行い、手術計画書を提示しました。一番奥の歯は骨吸収が大きすぎたため、3月までには終わらせることができないので、当院では1本のインプラント手術を行って、最後臼歯部は転勤後にお考え頂くこととなりました。
インプラント手術は患者さんは17時にお越しになり、局所麻酔後、歯のクリーニング、術前の資料採取を行いました。17:20に手術開始、17:40に縫合終了後、仮歯を装着。術後の資料採取を行い、資料を見ながら術中の説明、術後の注意事項を説明し18:00には医院を出られました。
2ヶ月後、2次手術を行い、仮歯を適合させました。リハビリの期間に前後の歯のセラミック治療を行った後、光学印象を行いました。
自身のインプラント埋入の再評価を行い、補綴物の設計を行いました。最終補綴を装着しました。1週間後にカスタムアバットメントとセラミックを装着しました。
治療前はつながっていましたが、1本ずつになったことで、清掃性も咀嚼効率も向上しました。両隣在歯はセレック治療を行いました。治療前後の比較です。
患者さんのご希望通りに3月までに、ご満足頂ける形でインプラント治療を終えることができました。患者さんはとても喜んで下さったので、良かったです。
医療広告のガイドラインに基づき、治療概要を記載致します。
治療名:インプラント治療、CEREC治療
治療内容:1本のインプラントを埋入。両隣在歯はセレック治療。仮歯作成後、光学印象、セラミッククラウン装着。
治療に際してご理解頂いたこと:局所麻酔が必要です。インプラント治療では外科処置が必要です。インプラントドリリング時、歯の切削に伴い、振動などの違和感があります。
治療後にご注意頂くこと:治癒は術後の患者さんの動向に依存する部分もあります。手術後2〜3時間は患部を良く冷やして頂いた方が腫れにくくなります。手術後当日は汗をかくような体を温める血行が良くなることは控えて、安静にして頂いた方が腫れにくくなります。2〜3日は腫れることがございます。装着している上部構造はオールセラミッククラウンなので、固い物を不意に咬んだ時に割れることもあります。しかし、中のアバットメントは全く無傷でいることが可能ですし、コンピューター内にデータがありますので、ご来院時には既に作成しているセラミッククラウンを装着できます。
施術時間:インプラント1本埋入手術約20分、2次手術5分、光学印象3分。両隣在歯のセレック治療1本約60分。
治療期間:根幹治療〜仮歯装着約1ヶ月半、インプラント手術〜終了まで4ヶ月。
費用:診断料、手術基本料、1本インプラント埋入手術、光学印象、2本セラミッククラウン装着、両隣在歯のセラミック装着 約57万円