院長のひとりごと

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2020.05.24更新

京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。

僕が日頃歯磨きに対して、どのような認識を持っていて実践しているかを書いてみたいと思います。

0. はじめに
1. 歯ブラシの選択について
2. 歯磨き粉の選択について
3. 僕個人の歯磨きについて
4. おわりに

 今回は僕がどういう風に歯磨きをしているか、そして口腔内の専門家の一人の観点から考えることを書きたいと思います。

僕は就寝前は以下の手順で歯磨きしています。

① うがいで食渣を洗い流す。

② 歯ブラシと虫歯・歯周病予防用の歯磨き粉で3分程度歯磨きする。

③ 電動歯ブラシと虫歯・歯周病予防用の歯磨き粉で4分程度歯磨きする。

④ 舌ブラシで舌背部を、フロスで歯間部を磨く。

⑤ 歯ブラシとフッ素コート用の歯磨き粉で3分程度歯磨きする。

⑥ 就寝前にタブレットを口にする。

 朝、昼は①、②のみです。僕は以前は着色除去用の歯磨き粉を使っていたこともあります。あまり着色がつきにくい体質なことと、加齢臭予防に重点を置きたい41歳なので、使ってみて口臭が自分で気になりにくい歯磨き粉を使っています。

① うがいで食渣を洗い流す。
 まずはうがいで大きな食渣を洗い流します。これを行わないと、歯ブラシの毛先に食渣がはまって取れなくなってしまいます。歯ブラシを衛生的に保つことも口腔内の雑菌の繁殖を抑えるには不可欠だと考えています。

② 歯ブラシと虫歯・歯周病予防用の歯磨き粉で3分程度歯磨きする。
 僕は歯ブラシは小さいヘッドのものを、電動歯ブラシは大きなヘッドのものを使っています。鏡の前で歯ブラシの毛先が当たっていることを確認しながら、磨き残しがないように下顎咬合面〜頬側〜舌側〜上顎頬側〜咬合面〜口蓋側と磨く順番を決めて磨いています。僕は下顎臼歯部舌側と上顎第二大臼歯遠心部(上の一番奥歯の奥側)が汚れていると嫌なので、その部分は少し念入りにやっているかもです。

③ 電動歯ブラシと虫歯・歯周病予防用の歯磨き粉で4分程度歯磨きする。
 ソニッケアーと大きなヘッドの歯ブラシで上顎2分程度、下顎2分程度磨いています。以前はこの時に着色除去用の歯磨き粉を使っていたこともありました。ここでは磨き残しがないように磨く順番だけを守って磨いています。ヘッドが大きいので、細かく歯磨きすることはここでは行っていません。

④ 舌ブラシで舌背部を、フロスで歯間部を磨く。
 舌ブラシとフロスは歯磨き毎に行うことは時間的に難しいです。1日1回就寝前は必ず行うようにしています。僕はまだ歯間ブラシが通りにくいので歯間ブラシは使っていません。よくうがいして、舌感でどこかザラザラしていないか確認します。

⑤ 歯ブラシとフッ素コート用の歯磨き粉で3分程度歯磨きする。
 最後に歯ブラシとフッ素コート用の歯磨き粉で、トリートメントを行う目的で歯磨きします。 歯ブラシが衛生的かどうか、見てもわかりません。しかしながら、新しくおろしたばかりの歯ブラシで歯磨きした爽快感から、やはり歯ブラシは定期的に変えた方が良いと考えます。僕は1ヶ月〜1ヶ月半程度で交換しています。

⑥ 就寝前にタブレットを口にする。
 商品紹介や販売促進を目的にはしていないのですが、朝起きた時の爽快な感じからオススメです。


〜終わりに〜 

 新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な蔓延により、未だ経験のしたことのない恐怖を感じておられる方も多いと思います。当院では日常の院内の臨床において標準的感染予防(スタンダードプリコーションstandard precautions)を実践しています。当院にご通院下さってる患者さんは、当院が患者さんの準備をどのように行なっているか、診察が終わった後の片付けをどのように行なっているかご理解頂いていると感じています。


 既知のウイルスに対しては知識が必要ですが、僕は未知のウイルスには知識に加えて良識(モラル)も必要だと考えています。患者さんを目に見えない感染から守るためには、患者さんの濃厚接触者となる僕自身がキャリアーとならないようにすることが一番の感染予防です。
 ウイルス感染に脅かされるのはCOVID-19だけではありません。2011年に開業して今まで、患者さんからインフルエンザウイルスに感染して休院を余儀なくされたことや、従業員が欠勤したことは一度もありません。ノロウイルス、ロタウイルスも含めてです。毎年健康診断を受けておりますが、B肝ウイルス、C肝ウイルスも血液検査で陽性反応が出たことはございません。もっと言うなら、歯科医師になってから16年、患者さんから僕がウイルス感染したことは一度もありません。

 僕は、COVID-19に対して、知識と良識、そして自分達がやってきた実績を信じることが1番の武器だと考えています。 そして、こういう事態で医療人が真っ先に自分達の逃げ道を確保するのは違うと考えています。COVID-19も怖いですが、この状況下で歯が痛くなるのはもっと怖いと思います。僕は清潔観念、感染対策も含めて自分達の仕事を信じていますし、こんな中でも通院して下さる患者さんの安全確保に努めていこうと考えています


 COVID-19について歯科口腔に関した論文の報告はまだ少ないですが、関連した以下のことが報告されています。

◯ 口腔内に歯周病菌が多い方は、少ない方よりもインフルエンザウイルスに罹患する確率3割ほど高かった。→このことは歯周病菌や着色が付着する足場となるバイオフィルムをクリーニングで除去することは、インフルエンザを含めたウイルスを付着しにくくすると言えます

。◯ COVID-19で重症化した方は新型コロナウイルス肺炎に加えて、細菌由来の肺炎も合併していた。その細菌は口腔内や腸内で存在が認められる菌だった。→このことは、口腔内のクリーニングを行うことで、残念ながらCOVID-19に罹患し、肺炎を発症した場合でも重症化を防ぐことができると言えます。

 新型コロナウイルスの一日も早い終息を祈念しますとともに、今後もお口のことでお困りの患者さんのために臨床に従事して参ります。

投稿者: リモデンタルクリニック

2020.05.17更新

京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。

僕が日頃歯磨きに対して、どのような認識を持っていて実践しているかを書いてみたいと思います。

0. はじめに
1. 歯ブラシの選択について
2. 歯磨き粉の選択について
3. 僕個人の歯磨きについて
4. おわりに
今回は『2. 歯磨き粉の選択について』お話します。

歯磨き粉についてお話しする前に、ブラッシング時に歯磨き粉が必要か否かをお話しします。

 僕自身が学生時代の20年前は、「歯磨き粉をつけると泡立って歯が見えなくなる。磨けてなくても磨いた気になるから歯磨き粉はつけない方が良い」と習った事がありました。一理あると思いますし、否定するつもりはありませんが、僕は学生時代から歯磨き粉をつけてブラッシングしています。理由は磨いた後が爽快だからです。日常的に行うことが、爽快で気持ちよいことは大切だと思います。

歯磨き粉使わない

(1年間歯磨き粉を使わないで、ブラッシングをされた方です。着色除去希望でご来院されました。着色はついていますが、むし歯、歯周病はありません。「お願いですから、歯磨き粉を使って下さい」とお伝えしました。できる限りのクリーニングを行い、着色除去を行いました。

PMTC後
 20年経つと携帯電話もモノクロからカラー画面になり、カメラがついて、スマートフォンになり、wifiが飛び、どこでもインターネットができるようになりました。歯磨き粉ももちろん進化しています。

 歯磨き粉には、以下の目的をもった種類があります。他にもあるとは思いますが、代表的な一部です。
◎ むし歯、歯周病予防
◎ 着色除去
◎ フッ素コート
他に補助的に使うと良いものは
◯ 含嗽剤
◯ タブレット
があります。
 僕は基本的に歯磨き粉は何を使っても良いと考えています。 しかしながら、論文や臨床医の報告で、以下のものの使用は推奨しておりません。
● 顆粒やスクラブ剤を含有した歯磨き粉
 洗顔においてもスクラブ剤の入った洗顔料は肌を傷つけると報告されています。歯も肌と同様です。ただ、歯を傷つけるだけでなく、その顆粒が歯と歯肉の間(歯肉溝)に挟まり、歯肉炎の原因となるため、使用が推奨されていません。

 歯磨き粉は、自身が希望する用途の歯磨き粉を併用し、相加相乗効果を期待するとより良いと考えています。


 僕は着色がつきにくい体質のようなので、◎むし歯、歯周病予防と◎フッ素コートの歯磨き粉を使っています。
 歯磨き粉は市販、歯科医院専売の物など多種類にわたります。各々の体質により、効果も個人差がありますので、ご自身で使ってみてお好きなものをお使い下さい。


 含嗽剤は色々ありますが、僕はリステリンが良いと考えています。口腔内常在細菌叢には良い菌も悪い菌もいます。リステリンは良い菌は殺菌せずに悪い菌のみを殺菌すると論文で報告があります。夜ブラッシング後にリステリンで含嗽すると翌朝もスッキリしてます。ただ、非常に刺激が強いです。口内炎がある時に口に含むと悶絶するほど痛いです。紫色のリステリンは含嗽後にブラッシングするという歯磨き粉としても使えます。
 タブレットは口腔内常在細菌叢の中に、ロイテリ菌やL8020菌といった良い菌を増やす目的で就寝時に口にします。むし歯になることはありません。翌朝の口臭も抑えることが可能です。

僕はブラッシングをより効果的に行うには歯磨き粉が必要だと考えています。自身が目的とする用途のものに加え、含嗽剤、タブレットを併用するとより良い口腔内環境を整えることが出来ると思います。

投稿者: リモデンタルクリニック

2020.05.10更新

京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。

僕が日頃歯磨きに対して、どのような認識を持っていて実践しているかを書いてみたいと思います。

0. はじめに
1. 歯ブラシの選択について
2. 歯磨き粉の選択について
3. 僕個人の歯磨きについて
4. おわりに
今回は『1. 歯ブラシの選択について』お話します。

 歯ブラシの選択は、ご自身の顎の大きさと歯の大きさ、頬粘膜や舌の可動範囲などと細かい基準は色々あります。しかしながら、ご自身が使いやすく、気に入った物が一番だと考えます。ですので、一意見として参考にして頂けると幸甚です。

① ヘッドが大きいものが良いか、小さいものが良いか

② 毛先は硬い物が良いか、柔らかいものが良いか

③ 電動歯ブラシが良いか、従来の歯ブラシが良いか

今回はこの3つに絞って、僕自身の見解を述べます。
 まず①のヘッドについてですが、一般的には男性は大きいものを、女性は小さいものを推奨される事が多いです。

ヘッドが大きいものの特徴

◯  清掃面積が広いので、短い時間でも広範囲の清掃が可能。

●  細かいところには清掃が行き届きにくい。

ヘッドが小さいものの特徴

◯  細かいところに清掃が行き届きやすい。

●  清掃面積が狭いので、清掃に時間がかかる。
見て頂いて分かる様に、一長一短あります。ざくっと歯磨き用にヘッドの大きなものを、細かく歯磨き用にヘッドの小さなものをお使い頂けたら、より効果的な歯磨きができると考えます。

 個体差がある上で、人それぞれの好みもあると思いますが、①のヘッドについての僕の考え方です。

『ヘッドが大きいものと小さいものを併用し、最大限の効果を期待する。』

 次に②の毛先についてです。ブラッシング圧が強すぎると、歯が削れてしまい、歯と歯肉の境目にくさび状欠損ができることがあるため、軟らかい毛先を推奨することが多いかもしれません。

 しかしながら、ブラッシング圧の問題は、毛先の当たる感覚のみでは解決できません。歯の汚れを取るのは毛先です。歯磨きは鏡の前で、毛の腹の部分ではなく、毛先が歯に当たっていることを確認しながら行う事が大切です。 僕は歯間部に毛先をしっかり入れて歯磨きしたいので普通〜硬めを選択しています。ブラッシング圧も然り、神経の処置をした歯は毛先が当たる感覚も神経のある歯とは違いますし、個人差があって当然だと考えています。 

②の毛先について、僕の考え方です。

『毛先は自分の好みで選ぶ。その歯ブラシの毛先が歯に当たっていることを鏡の前で確認しながら歯磨きをする。』


 最後に③の歯ブラシについてです。普通の歯ブラシと比較した時の電動歯ブラシの特徴は以下の通りです。

電動歯ブラシの特徴

◯ 少ない時間で効率よく歯磨きができる。

● 普通の歯ブラシよりも高価である。

● ブラッシング時の振動が最初は慣れない事がある。

 僕自身、電動歯ブラシはフィリップ社製のソニッケアーを使っています。高価ではありますが、他社のものは力が強すぎたり、顎の大きい外国人向けだったりしました。

 歯磨きは男性で言うところの髭剃りと一緒です。電動髭剃りも良いものは、よく剃れますし、カミソリ負けもしにくいです。なので、高価ではあってもソニッケアーを選択しています。

 元々は僕は普通の歯ブラシで20分以上歯磨きしていました。子どもを授かり、歯磨きに20分以上も時間をかけるのが難しくなってきたところで、副院長の勧めでソニッケアーを使いました。僕の20分以上の歯磨きは、ソニッケアーの2分に完敗でした。。。翌晩まで歯面のツルツル感があるのは、普通の歯ブラシでは達成できない感覚です。

 ただし、電動歯ブラシでは行き届きにくい箇所も実感します。グリップとヘッドが普通の歯ブラシよりも大きいからだと思います。僕は下顎大臼歯部の舌側と上顎第二大臼歯の遠心(奥側の面)がちゃんと磨けてないと嫌なのですが、その部分を普通の歯ブラシで磨いています。

 ③の歯ブラシについて、僕の考え方です。

『普通の歯ブラシと電動歯ブラシを併用すると、より高い効果が期待できる。』


 僕自身、歯磨きには自信を持っていました。しかしながら、メーカーも自信を持って製品を出しています。未知のウイルスに対してもそうだと思いますが、複数の方法を併用するとその対応できる範囲が広がり、より高い効果を望めます。

投稿者: リモデンタルクリニック

2020.05.03更新

京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。

僕が日頃歯磨きに対して、どのような認識を持っていて実践しているかを書いてみたいと思います。

0. はじめに
1. 歯ブラシの選択について
2. 歯磨き粉の選択について
3. 僕個人の歯磨きについて
4. おわりに
以上の構成に基づいて、お話します。

0.はじめに
 僕は論文などで報告されている事と自身の体験や臨床から感じる事を合わせて、歯磨きを実践しています。唾液の質や歯並び、顎や歯の大きさなどの個体差は当然ありますので、僕自身の考え方や方法を強要するつもりはございません。
 ご自身のやり方や考え方が一番な上で参考にして下さって、健康的なステイホームを実践頂けると幸甚です。

基本的な考え方
① むし歯菌、歯周病菌は、唾液の自浄作用が少なくなり、口腔内が乾燥する就寝時に繁殖する。

② 食渣(食べかす)は食後48時間かけて発酵し、その後毒性を発揮したり、酸により歯質を溶解したりする。

③ むし歯の好発部位は小窩裂孔(歯の溝)、歯間隣接部(歯と歯の間)、歯肉と歯の境目である。

他にも色々ありますが、歯磨きをする上でシンプルにこの3つだけ頭に入れておけば良いと考えます。

 僕は小さい頃「毎食後すぐに3分間歯磨きをすれば良い」と習いました。これは乳歯列で実践を試みる話で、小学4〜5年生までは十分です。中学生以降の永久歯列では『毎食後すぐに』と言うのが実践が難しくなり、永久歯列をきちんと磨こうとしたら3分間では不十分だと感じます。

 朝、昼、夜の中でどの場合においても長時間歯を磨く必要はありません。①の考え方から、夜の就寝前だけは時間をかけてしっかりと歯磨きを行う事が肝要です。口の中は唾液の自浄作用により、食渣は洗い流される仕組みになっています。言わば、道路が常にホースで水まきされている状態です。ですが、そのホースの水まきが寝ているときには止まってしまうのです。唾液の流れが止まると、細菌は歯に定着しやすくなり、繁殖しやすくなります。ですので、極端に言うと、朝、昼をしっかり磨いても、夜歯磨きしないのであれば、全く不十分です。推奨はしませんが、夜にしっかり歯磨きをされるのであれば、朝、昼が疎かになったり、時間をかけることができなかったりしても口腔内の問題は多発しない可能性は高いです。

 ②の考え方から、食渣が発酵し毒性を発揮するまでの48時間の間に汚れを落としきれば、問題は起こりません。一回の歯磨きで食渣、プラークをきちんと落としきるのは難しいです。なので、セルフケアの回数は多い方が良いです。朝、昼は1分以内の短時間でも構いませんが、夜就寝前は最低10分は歯磨きに時間をかけた方が良いと考えます。ただし、時間よりも内容が重要です。

 ③の考え方から、むし歯になりやすい場所を重点的に磨くことが大切だと考えます。むし歯になりにくい部分は歯磨きしやすい場所であり、そこに時間をかけてもあまり意味がありません。歯磨きしにくい場所ほど、むし歯になりやすいです。

 歯磨きでも未知のウイルスへの対応でもそうですが、長期的な対応が必要とされます。まずは文献による報告や統計のデータを正しく理解して、要所を抑えていくことが大切だと考えます。

投稿者: リモデンタルクリニック

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