京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。
銀歯が気になると相談を希望された患者さんが来院されました。
前医では「全体的に歯根が短いから、歯が長持ちしにくい」と伝えられ、今後のことに不安を感じておられました。レントゲン写真を撮影の後、「極端に歯根が短い訳ではなく、歯科治療が特別難しい方であるとは感じません。しかし、歯の負担過多になると、歯が長持ちしにくくなることは事実です。そのためには、歯の欠損に対しては、単独歯で完結する事が望ましく、現状のような長いブリッジは予知性は低いです。」とお伝えし、治療計画を立案しました。
患者さんはインプラント治療をご希望されました。CT撮影、シミュレーションののち、手術計画を提示しました。
右上のブリッジも予知性は高くありませんが、欠損部への緊急性は下顎の方が高いと判断し、患者さんには下顎へのインプラント治療を提案しました。右下はインプラントのインテグレーション後に根管治療を行うことと、左下は対合が1本分であるため、1本のインプラントで対応できるため、右下の欠損と合わせて2本のインプラントを埋入することで同意頂きました。
CTシミュレーション通りに埋入しました。インプラント埋入はzoneで捉えるケースと、spotで捉えるケースがあると考えています。今回右下の場合はspotで捉え、両隣在歯に平行性をもって埋入しています。対して、左下はzoneで捉えています。下顎第一大臼歯の幅径は10.5mm〜11.5mmであるため、インプラント中央部が近心隣在歯から5.5mmとなる場所で埋入しています。近心隣在歯が傾斜しているため、術野のxyz軸を正確に捉えないと埋入方向がずれてしまいます。
「ドリルの先端に意志を持て」
僕がインプラントの師匠に教わった文言です。
今回は12:50にご来院頂き、局所麻酔ののち、左下のブリッジを切断し、術前のクリーニングののち13:15位から手術開始しました。13:45位に縫合終了、術後の説明、資料採取等を行い、14:00には医院を出られました。
患者さんに安心、安全なインプラント治療を行う事ができました。幾何学的に美しいインプラント埋入を行うことができた事も歯科医師冥利に尽きます。