院長のひとりごと

tel_sp.png
メールでのお問い合わせ

2019.05.31更新

京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。

奥歯の歯肉が腫れて、変な液が出ると訴えて患者さんがご来院されました。

初診時

残念ながら、保存不可能な状態が疑われる状況でした。異日、状況確認のためブリッジを撤去し、仮歯を作成し一時的なかみ合わせを獲得することをお伝えしました。

ブリッジ除去時

ブリッジを外したところ、手前の歯は保存可能な事が分かりました。一番奥の歯とのブリッジが作成可能ではありますが、それでは4本分の咬み合わせの負担を2本で受ける事となります。長いブリッジは歯磨きがしにくいため、清掃性もよくありません。ロングスパンのブリッジでは咬み合わせが複雑になり、予知性が低いことが予想されました。今は保存可能な手前の歯がブリッジにすると高い確率で保存不可能な状態に陥ると考えましたので、部分入れ歯やインプラント治療も含めて患者さんに治療計画書を作成しました。

治療計画書

患者さんはインプラント治療を選択されました。インプラント治療は骨がない場所には行う事ができません。まずは長年にわたり溶けてしまった骨を再生させる必要があります。骨組織再生誘導法(GBR)を行いました。

GBR

骨が溶けて黒く透けた部分が、白い網目状の骨組織に変わった事が認められます。今回は再生骨量が多かったため、4ヶ月待たせて頂きました。CTシミュレーションの後、手術計画書を作成しました。

手術計画書

手術計画にも同意頂けたため、インプラント埋入を行いました。インプラント埋入

CTシミュレーションとの比較です。

CTシミュレーション

シミュレーションどおりに埋入することができました。手術時間は予定どおり40分程度でした。

処置前後

インプラント治療前後の写真の比較です。今回は第二大臼歯の状態が良かったので、セラミッククラウンで単冠処理しました。今後の経過観察にもよりますが、単独歯で処理を行う事で、

◯ 清掃性が向上することで、予知性が向上します。

◯ 破折などのトラブルが起こった際、連結歯の場合は連結した歯全てが治療対象になります。単独歯の場合は患歯のみの処置で済み、修理などが必要になった際に単純処置で行うことが可能です。

◯ 連結歯の場合、側方運動時に干渉しないよう、咬頭を鈍角に作る必要があり、臼磨するような形態となります。単独歯の場合は、咬頭展開角を狭める事が可能になるため、食べ物を剪断しやすくなり、咀嚼能力が向上します。

以上の事が期待できます。患者さんはとても喜んで下さいました。骨の再生も含めて難しいケースで、患者さんのご都合を除くと9ヶ月ほどかかりましたが、歯医者冥利に尽きる仕事ができて嬉しかったです。

投稿者: リモデンタルクリニック

SEARCH

ARCHIVE

CATEGORY

メールでのご相談はこちら