京都 四条烏丸の歯科医院 RIMO dental clinicの院長 小川智功です。
歯科用CTを導入しました。
開院した2011年にもCTはありました。患者さんに提供できる技術や設備をCTとCERECとで比較した時に、僕にとっては患者さんに革新的な治療技術を提供できるCERECを導入しました。途中2代目のCERECも導入し、開院から9年半が経過しました。セラミック治療のみならずインプラント治療でも、光学印象は僕にとって不可欠な存在になり、自分なりに極まりを感じていました。
新たな自身の研鑽材料と患者さんに提供できる技術革新の発掘に加えて、お世話になっている業者さんへの恩返しとコロナ禍における社会貢献のために、今回歯科用CTを導入しました。
2011年の時点で導入しなかったCTを、今回導入した理由は以下の通りです。
◯ 東日本大震災後に開発されたCTは被爆量が大幅に減少している。
◯ 撮影時間が17秒と短く、さらに座位で撮影できるため、撮影中の患者さんの負担が少ない。モーションアーチファクト(体動による撮影された画像のぶれ)も軽減された。
◯ 撮影された画像の解像度が、限界まで高められている。これ以上画像の精度を高めても、人の視覚の認識精度を超えてしまうとのこと。
◯ 最大撮影範囲が、2011年当時は80㎜×80㎜だったものが、現在は95㎜×95㎜となり、顎が大きな方も画像が切れる可能性が少ない。
パノラマレントゲンとCT画像の違いを、僕のパノラマレントゲンを元に説明します。
パノラマレントゲンは、3次元的な構造物である顔を1枚の長方形に起こすため、彎曲している上下の前歯部はその圧縮の影響を受けることがあります。例えば、地球儀をメルカトル図法に起こした時、グリーンランドとオーストラリアに縮尺の違いが起こるようなものです。
パノラマレントゲンの場合、臼歯部、前歯部、上顎、下顎どこかを誤差なく撮影するとなると、どこかに誤差がでてくることがあります。しかしその誤差は臨床上、それほど問題はありません。これが、僕が当初CTを必要としていなかった理由です。今回、臼歯部はきれいにとれていますが、そのひずみが下顎前歯部に出ています。
僕は自分のパノラマレントゲンを撮影する度に、「下顎大臼歯の歯根、こんなに長くないけどな。どこかでひずんでるんやろか。こんな根長かったら、根治大変すぎるで。」と思っていました。僕は今までに神経の処置を受けたことはありません。今回僕のCT撮影をして画像を診断しました。
歯を水平に輪切りにした状態の画像です。根管の形態が非常に分かりやすいです。
歯を右から左に輪切りにした状態です。CTは画像を球で捉えますので、縮尺のひずみは生じません。パノラマレントゲンでのひずみではなく、僕の第二大臼歯は犬歯なみに長いことが判明しました。むし歯はないのですが、根管が根尖部で頬側に曲がっているので、神経の処置をすることになったらめちゃくちゃ大変です。『歯を大切に』と己に言い聞かせました。
少し下方に下顎管(神経の通り穴)があります。一般の方が見ても分かるように、非常に鮮明な画像であることが分かります。
どの患者さんにも必要になる器材ではないかもしれませんが、医院の設備の充実を図り、今後も研鑽していきたいと思います。
余談ですが、上顎洞もきれいでした笑 鼻、喉の腫れがなく、蓄膿がないということが分かって良かったです。